雨が止めば小さな図書館は開く

4月は雨が多かった気がするが、5月ももしかして雨続きなのだろうか。もしや梅雨が早まった?せっかく今年の桜は開花が遅めで、入学式でも満開の桜と一緒に写真が撮れたというのに。一年でもっとも気持ちのいい春がどんどん削られてしまう。夏と冬しかない国…

今、今、今

ここ数ヶ月は絵本や児童文学、YAコーナーにあるノンフィクションなどを読んでいる。昔を懐かしんでいるのだと思っていたけど、いや、そうではないと気が付いた。あの頃ー5歳や10歳や17歳だと断言できないけどーに出会いたかった本たちを、今の私が選んで読ん…

怒り

何年か前に、怒りの感情は6秒しか続かない、という言説が流行った。だから6秒だけ我慢せよ、そうすれば怒りは去る、と。 怒るのは体も心も酷使する。怒っている本人もそれを受け取る人、または間近で見る人も疲弊する。だから怒りは忌避され、6秒後には空気…

平等ってなんだろう。

先日、幼稚園からあるお知らせがきた。今までは保護者の有志がお手伝いしていた図書当番が、来年度からは廃止になるという。 図書当番は週に1回、絵本の貸出と返却を見守るのが主な活動だ。登園すると図書室に子どもたちが続々と現れ、本を選んでいく。いつ…

クリスマス礼拝

12月に入り、息子の幼稚園ではクリスマス・ページェントの練習が始まった。ページェントとはイエス様が生まれる前後の物語を見せる劇のことだ。年少さんは子羊や小熊に扮し、年長はマリア様やヨセフ、東方の三博士などを演じるらしい。息子は今年が初めての…

2023/12/9

出先で娘がアイスを食べたい!と駄々をこねた。また今度ね、と適当にかわしたら「明日生きているかもわからないから今食べたい!」と屁理屈で返してきた。屁理屈と書いたけど、確かに天変地異や事故、突然の病でいつ命が尽きるかわからない。ウクライナやパ…

文学フリマ つらつらと感想

文学フリマ東京37に出店した。2,000近いブースが2会場に分かれて並び、来場者数は1万人以上という大規模イベントだった。 私は9月に開催された文フリ大阪に先に参加していた。大阪は東京の半分ほどの規模だ。そのおかげでお客さんは事前に調べていないブース…

歩文舎コソコソ話③ 四苦八苦したZINE作り

印刷所に入稿するやり方は覚えたので、今度は自分で印刷して製本してみたくなった。コピー用紙に印刷してホッチキスで留めた、いわゆるZINEに挑戦したい。 肩の力を抜いて読んで欲しいので、文章も勢いにまかせてほぼ一発書きだ。大きさは文庫サイズにしたい…

歩文舎コソコソ話② タイトル決め

『てのひらの散文』は日常のふとした瞬間を留めておきたくて書き連ねたエッセイ集だ。 10本のエッセイを書き終わり、それらを束ねるタイトルを考えた。覚えやすく、パッと見て意味が通じるような……色々と考えて思い浮かんだのが「てのひら」だ。手に載るほど…

歩文舎コソコソ話① 本作りはボトルレター

今年の2月に初めて本を作った。 印刷所から段ボール箱が届いたとき、きゅっと胸が縮んだ。緊張と高揚。表紙を撫で、ページをめくる。あ、本だ。数日前は画面の上にしかなかった文章が、本になっている。この感動は病みつきになる。 本作りには文明の利器、ス…

試し読み『わたしの積読解消日記』

『わたしの積読解消日記』より 「はじめに」 B6/50ページ/500円

試し読み『てのひらの散文』

『てのひらの散文』より B6/44ページ/500円

試し読み『あなたと話したいいつくかのこと』

『あなたと話したいいくつかのこと』より文庫判(A6)/16ページ/200円

算数苦手

もともと算数が苦手だったが、加齢のせいか輪をかけて苦手になっている。 先日、娘の宿題をみながら、一瞬考え込んでしまった。直径24センチの円の中に、3つの小さな円が入っています。小さな円の直径は何センチですか。問題文の横にはすでに円の図まで描か…

ベル 優しいいきもの

やるせなくなって、ふてくされ、和室にこもっていた。ひとりになりたかった。畳に寝転んで暗い天井をにらみ続ける。それしかできない。細く開いた襖の隙間から、ベルが鼻先をのぞかせた。光と一緒にするりと入り、私の脇腹に潜り込む。もの言わずただ体をく…

ベルがいる はじめに

世界で一番有名なビーグル犬は?ときかれたら、スヌーピー!と大きな声が返ってくるだろう。黒い垂れ耳に賢そうな横顔。屋根で昼寝しているばかりと思いきや、上機嫌で踊ったり、タイプライターで執筆したり、「配られたカードで勝負するしかないのさ」なん…

相棒

息子が急にウルトラマンにハマった。たまたま出先でウルトラマンと怪獣のフィギュアを買ったのがきっかけだ。その日以来、いつもそばに置いている。食事のときは、食卓にウルトラマンと怪獣たちを並べる。食べるのが遅い息子の応援団だ。ときどき自立できな…

月と祈り

寝る前、子どもたちは必ず月を探す。ベッドに入る夜の9時頃に、月はちょうど寝室の窓から見える位置に浮かんでいる。カーテンを開いて月を見ては、一言声を掛ける。明日も楽しく過ごせますように。今日はなんであんなに赤いのだろう。あそこの雲が光ってるか…

2023/8/7

夜、寝入る瞬間に指さきに蝶がとまった。黒く縁取られた羽は、光の粒を含んだように青くきらめいている。驚いて振り払うと、蝶は消えてしまった。夢というにはあまりに鮮明で、夜の闇に消えた蝶を追いたくなった。どうしてここに来たの。どこへ行ったの。そ…

彼らのことば

『目で見ることばで話をさせて』 作:アン・クレア・レゾット タイトルに惹かれて手にしたこの本は、ヤングアダルト向けの小説だ。 目で見ることばとは、手話のことだ。19世紀のはじめ、11歳のメアリーは、生まれつき耳が聞こえない。同じくろう者の父、聴者…

あちらの岸へ

私は心配症だ。初めてのことをする場合、とにかく調べまくってしまう。それでも安心できなくて、結局やらない…のではなく、だんだん心配するのが面倒くさくなり、見切り発車で始めてしまう。心配症のくせに面倒くさがり。これでなんとかやってきた。 来週、…

怖いもの

息子の幼稚園がキリスト教の教えに基づいた教育をする幼稚園なので、久しぶりに「お祈り」した。保護者会のはじめにお祈りを捧げてから始まるのだ。特定の宗教、神様を信じてはいないが、祈る対象を設定し、決まったフォーマットで祈りを捧げる行為は気持ち…

うちの子ここにいるよ

このブログに書いたことを大幅に直して、1冊の本を作った。とあるイベントで頒布するのを目標に作ったが、天候不良でイベントは中止になってしまった。今のところ、他に頒布するイベントが秋までないので、この作った本たちをどうしてあげればいいか悩み中だ…

2023/4/5

天気が良い。桜はもうほとんど散ってしまった。娘は明日から新学期。なんと8時15分に登校して9時15分に下校という、超短時間登校なのだ。新しいクラスと担任の先生が発表される。娘は特に緊張せず、明日から行くのめんどくさい〜とぼやきながら公園を走り回…

ロートレックの欠片

ロートレックはお好きですか? ロートレックは、十九世紀末のフランスの画家だ。少年の頃に脚を骨折したのが原因で下半身の成長が止まり、身体にコンプレックスを抱えていた。パリのキャバレーや娼館に集う人々を描き、ポスターを芸術の域にまで高めたといわ…

おままごと仲間

一年という短い期間だけど、保育士として働いたことがある。まさか自分が保育士になるなんて、夢にも思わなかった。 そもそも、私自身は幼稚園に通っていたし、娘の妊娠を機に退職したので、保育園とは無縁だった。 保育士に興味をもったのは、息子を妊娠中…

阿佐ヶ谷すいか

「ママの好きな人がテレビに出てるよ!」 息子が大声で叫ぶ。私は慌てて洗濯物を取り込み、階下のリビングへと駆け降りた。ママの好きな人って誰だろう。長谷川博己かな?うっすらと甘い気持ちになってテレビを見ると、ピンクのドレスをまとったおかっぱの女…

祖父と軍手

祖父母の暮らす都内の家に、小学生の頃はよく家族で泊まりに行っていた。居間に入ると、祖父が黒い革張りのソファに座ってうたた寝をしている。テレビはつけっぱなしで、決まって株の番組だった。そっとチャンネルを変えると、すかさず「今見てるんだ」と戻…

楽しい音の時間だよ

娘がウクレレを習い始めて1年経った。きっかけは小学校での音楽鑑賞会だった。初めてヴァイオリンやドラムなどのバンド演奏を生で聴き、楽器に興味が出たようだ。はじめはギターを習いたがったが、子どもには難しそうな気がした。ちょうど私はウクレレに興味…

食べること

食に興味がないんだね、と言われることがある。主に夫からだ。夫は隙あらば美味しいお店の情報を集め、訪れる機会を狙っている。買ってきたお惣菜にもひと手間かけて何かしらアレンジしたがるタイプだ。それに比べると私は、食に対して熱量がない方かもしれ…