相棒

息子が急にウルトラマンにハマった。たまたま出先でウルトラマンと怪獣のフィギュアを買ったのがきっかけだ。その日以来、いつもそばに置いている。食事のときは、食卓にウルトラマンと怪獣たちを並べる。食べるのが遅い息子の応援団だ。ときどき自立できなくてお皿にダイブしてしまうが、仕方ない。寝るときはもちろん枕元に並べるし、出かける時は厳選した一体を右手に握りしめている。常に「トゥ!ウォ!ウオリャー!」と雄叫びをあげ、ウルトラマンと一緒に戦っている。夢中だ。

息子には、赤ちゃんの頃からずっとお供にしているブランケット型のぬいぐるみがある。うさぎのミミちゃんだ。ミミちゃんは、六年間キープしている相棒の座を新参者のウルトラマンに奪われかけている。まだ寝るときはミミちゃんを抱きしめているが、それ以外はソファに置かれたまま。あんなに片時も離さなかったのに。おかげで数ヶ月ぶりにミミちゃんを洗うことができた。つけおきした水を何度替えても真っ黒になるほど、汚れていたミミちゃん。いつもありがとね、と思わず話しかけてしまった。息子がミミちゃんを卒業しても、ずっと手放さずにおくと決めている。真っ黒で、生地は縮れてスカスカになっているけれど、このボロさが愛おしい。幼児期を共に乗り越えたミミちゃんは、実は私の相棒でもあるのだった。