歩文舎コソコソ話③ 四苦八苦したZINE作り

印刷所に入稿するやり方は覚えたので、今度は自分で印刷して製本してみたくなった。コピー用紙に印刷してホッチキスで留めた、いわゆるZINEに挑戦したい。

肩の力を抜いて読んで欲しいので、文章も勢いにまかせてほぼ一発書きだ。大きさは文庫サイズにしたい。A4縦に文庫サイズの原稿を4枚面付けして上下で切り離せば文庫サイズになるはず。なんとか面付けを考えデータを作り、印刷して切ってみたら……変な余白が紙の上下にできてしまった!原稿の余白設定のせいなのか、原因はよくわからない。パソコンで原稿を作れば解決しそうだが、スマホで作りたかった。さらに文庫サイズ(A6)ではなくA5やB6だったらコンビニのコピー機の小冊子機能で面付けもしてくれる。いっそサイズを変更しようか悩んだが、やっぱり文庫サイズで作りたい。こじんまりしていてポケットにも入る文庫サイズこそ、このZINEのテーマ「気楽にあなたと話したい」にぴったりなのだ。

四苦八苦し、結局は縦式で文庫サイズのデータをつくり、画像としてcanvaに貼り付ける方法でなんとか文庫サイズの中綴じZINEが完成した。これより楽できれいにできる方法はあるだろうが、今の精一杯の力で作ったので、できあがったZINEはとてもかわいく思える。タイトルは『あなたと話したい いくつかのこと』にした。

印刷はリソグラフを使った。リソ機からシュポッ、シュポッと原稿が飛び出てくる姿は、ずっと見ていたくなる。印刷所にお願いした方が楽だけど、また懲りずに自分で作ってみたくなる。中毒性のある作業だった。

歩文舎コソコソ話② タイトル決め

『てのひらの散文』は日常のふとした瞬間を留めておきたくて書き連ねたエッセイ集だ。

10本のエッセイを書き終わり、それらを束ねるタイトルを考えた。覚えやすく、パッと見て意味が通じるような……色々と考えて思い浮かんだのが「てのひら」だ。手に載るほどささやかな場面を集めた文章たち、という意味を込めて『てのひらの散文』に決めた。

しばらくしてから、そういば川端康成に『掌の小説』という本があったことを思い出した。どこから読んでも楽しめる、かなり分厚い掌編小説集だ。川端康成の「掌」にあやかって私の「てのひら」も読んだ人の心に残ればいいな、とちゃっかり偶然の一致を喜んだのだった。

 

2冊目の『わたしの積読解消日記』というタイトルは一発で決まった。読書好きの主婦が、買ったまま読めずに積んである本の山を少しずつ読んでいく。書評でも読書感想文でもなく、日々の営みのかたわらに読書がある。そんな様子を記録したかった。

読み返すと、当時の生活と読んでいた本の内容が裏側で繋がっているようないないような、なんだか面白い本になった。

歩文舎コソコソ話① 本作りはボトルレター

今年の2月に初めて本を作った。

印刷所から段ボール箱が届いたとき、きゅっと胸が縮んだ。緊張と高揚。表紙を撫で、ページをめくる。あ、本だ。数日前は画面の上にしかなかった文章が、本になっている。この感動は病みつきになる。

本作りには文明の利器、スマホをフル活用した。少しでも時間が空けば「縦式」というアプリで文章を打ち、本文データを作った。表紙はcanvaというサイトでなんとか形になった。

周りに本作りをしている知人がいなかったので、全ての工程がネットの情報頼りだった。ネットの海に浮かんでいた情報は、まるで「あなたも本を作ってみなよ」と書かれたボトルレターのように私を導いてくれた。顔の見えない先人たちのおかげで、この世に一冊の本が生まれた。

算数苦手

もともと算数が苦手だったが、加齢のせいか輪をかけて苦手になっている。

先日、娘の宿題をみながら、一瞬考え込んでしまった。直径24センチの円の中に、3つの小さな円が入っています。小さな円の直径は何センチですか。問題文の横にはすでに円の図まで描かれている。にもかかわらず、答えが出るまで3秒ほどかかった。ショックだ。何問か解くうちに、ようやく脳の算数担当部分にエンジンがかかりだして安心した。まだ娘の前で恥はかきたくない。それにしても、なんとポンコツな脳みそよ。

高校生の時、母親が担任と面談した際に、数学の成績がひどすぎると指摘されたらしい。普通なら、担任に子どもの成績不振を言い渡された親は、なんとか挽回する手筈を相談するだろう。なのに母は大真面目に「娘は右脳だか左脳だかの、理系を司る部分が弱いんじゃないかと思うんです」と訴えた。中学受験の時に、算数ばかり勉強していたのに成績が上がらず、半泣きになっていた私を不憫に思ったすえの結論らしい。当然、担任は「そんなわけない、娘さんの怠慢ですよ!」と呆れ返り、母まで叱られて帰ってきた。次の日に改めて担任から「脳のせいじゃなくて、君の勉強不足だからな。お母さんにもちゃんと伝えたからな」と念押しされた。担任の顔には思い切り「やれやれ」と書かれていた。どんな親子だと思われただろう。

放っておくとどんどん脳が錆びつきそうなので、子どもたちの宿題をみてあげるのは良いトレーニングになる。せめて小学生のうちは頑張りたい。